油冷にチャレンジ


■キャノーラ油冷!?
以前、とあるPC雑誌にてマザーボードを丸ごと油に漬けてしまうという豪快な冷却法を発見して以来、試そうと思っていたものです。
今回、クラブの活動と言うことでCPU、マザーボード諸々を部費購入出来ましたので、このような暴挙に出ました。
システム構成は以下の通りです。

CPU Celeron 1.8GHz
CPUクーラー サイズ SAMURAI
M/B BIOSTAR U8668D-A34 VER7.6
メモリ ノーブランド128MB
HDD WDの4GBぐらいのやつ
VGA 内蔵
ドライブ 置いてあった富士通のCD-ROM
ディスプレイ 生徒会室からいただいたもの
デバイス 置いてあったキーボード
OS 今のところVineLinux

とりあえず、全体図

ちなみに、この写真は油を注ぐ前の写真です。
MBはホームセンターで購入したタッパーに入れて、床に直置きしてます。
HDDは流石に直接置くと蹴飛ばしそうなので隣のタワーに格納してます。
現状では何事もなく起動しています。

では、油を入れてみましょう。


写真がピンぼけしてて申し訳ないんですが、キャノーラ油2.4リットル注ぎ入れました。
マザーボードがつかる辺りまでは、何事もなく動いていたのですが、
ノースブリッジのシンクが完全に水没した頃、突如画面が消えました。
そのほかの部分は起動しているので、VGAチップが熱で暴走したか、VGAのコネクタがショートした可能性がありますが、
再起動したら何事もなかったかのように起動しました。
ちなみに、この時点でのBIOSのCPU温度は31℃でした。

一山越えたと言うことで、キャノーラ油2本本部注ぎ入れました。
?????案外普通に動いてます。
この時点でCPUクーラーのFANは1300RPMで回っています。



Linuxな上にLANがつながっていないので、特にやることがありません。
ホントに実験用ですね……。
やることがないので、そのまま20分ほど放置しました。
その時の温度は32℃でした。

タッパーの外から触ってみると、油が少し温かい感じです。
ちなみに、温度計が用意出来なかったため温度測定はBIOSに頼りっきりです。
Linuxなので温度監視ソフトも入れられませんしね。
なので、温度確認の度にPC再起動しないといけません。
再起動している間に少しは温度が下がっていることを考慮すると、+1℃程度の補正した方が良いかもしれません。

では、今回の本題「ファンレスへの挑戦」へ行ってみましょう。
とりあえず、FANを停止させてみました。
停止させてすぐの温度は35℃でした。

そのまま1時間ほど放置したら、またしてもディスプレイが真っ暗……。
温度を確認してみると46℃にまであがっていました。
やはり、油に漬けるとは言ってもFANは止めるわけにはいかないようです。

油を入れる前から気にはなっていたんですが、
このMBはヤケにノースブリッジとVGAが発熱します。
CPUの発熱はたいしたものではないのです。
画面が真っ暗になるのも、おそらくVGAの熱暴走かと思われます。

今後の課題は、油を攪拌でもしてVGA周りの温度を下げることですね。
それから、温度計の導入でしょうかw

2004/6/24



■キャノーラ油冷第二弾

無謀とも思える、MBのキャノーラ油冷却から早3ヶ月。
私の「文化祭で公開しよう」という一言から再びプロジェクトが再開してしまいました。
この際、公開というより、「後悔」の方が正しいのかもしれませんが……(ぇ

前回の結論では、「オンボードのVGAかノースブリッジが熱い」というモノですが、
どうやら理由はそれだけではないようです。
確かに、あの時はノースブリッジがシャレにならないほど発熱してたんですが、あれ以降そういでもないんですね。
実質、長時間稼働となってくるとCPUからの発熱の方が深刻なわけで……。

……で、発熱をどうしようかと考えるときに、大変なことが起こりました。
CPUクーラーを固定する土台がが折れてる……(汗
そりゃもう、ポッキリと。
人間の骨で言えば、複雑骨折的な折れ方をしているため、接着剤でくっつけても元の強度を取り戻すのは不可能。
……ていうか、そもそももとの強度で折れてるんだから到底無理な話です。
というか、普通はこんなに簡単に折れるモノなんでしょうか……。
インテルのCPUクーラーは取り付けやすくて丈夫だと思ってたんですが……。

とりあえず、いくら油に漬けるといっても、シンクも何も無いんじゃ廃熱が間に合いません。
当面の打破策として、中古でMBを探してくることにしました。
何とか、安値でソケット478対応のMBは見つけたんですが、明らかに怪しい……。
そもそもVIA純正MBっていうがこの上なく胡散臭いんですが……。
その上、CPUバスはFSB333。
まぁ、Celeron1.8Gならギリギリ動くんですけどね。

で、とりあえず油無しで新しいMBに接続、起動。
と思ったんですが、……動かない……?!
購入店で動作確認は取ってあるんですが、CPUが違うからいけないのか、500円の電源だから電源容量が足りないのか。
動かない要因が多すぎて、あげてるとキリが無いんですが……。

まぁ、動かないものは仕方ないので諦めるしかないですね。
ただ、問題はMB自体は油に漬けて無くても、ケーブル類がベトベトなので返品出来ない……OTL
非常に嫌な状況です。
しかも、公開予定の文化祭まで残り2日……。
これ以上新しいMB探しても時間も金も無いと言うことで、急遽CPUクーラーの固定台だけ前のMBに移動することになりました。


何とかPCとしては動かせる状態にまでなったので再び冷却に関して考えます。
やはり、問題は「プラスチック容器だと油自体が冷えにくい」ということです。
そこで、何か冷えやすくて、コストのかからないモノはないかと探した結果、なかなか良いものが見つかりました。



まぁ、まんま鍋ですね……。
ただ、材質はアルミ。表面はアルマイト加工とヒートシンクにそっくりな作りなのです。
もしかすると、かなり強力な冷却効果が得られるかもしれません。
ただ、この鍋にそのままMBを沈めるとショートしかねないので、一緒に足にするゴムを購入してきました。
まぁ、ゴム足に関しては、「冷却効果の妨げ」「アースが出来ない」ということで後にスペーサーを取り付けることになります。

なにやら、それらしくなってきたんですが、ここで大変なヘマをやってしまいました。
というのも、ゴム足を取り付ける作業中に、2回もMBを落下させてしまいました。
まぁ、コレが何を意味するのか大方予想が付くと思いますけど……。
案の定、またしてもCPUクーラーの土台が折れました……OTZ
コレのお陰で、新しく買ってきたMBは「CPUクーラーの台を折っただけ」の代物に……。

しかも、二度にわたる落下の所為なのか、このころから動作が不安定になってきました。
具体的には、温度的には明らかに案全域なのに、シャットダウンしてしまうという状況です。
ひどいときには、BIOSでの温度確認も出来ないほど……。
しかも、これが、CPUクーラーを取り外したり、乗せたりすると調子が良くなったり悪くなったり。
たぶん、もうMB自体が曲がってて、どこかが断線してるんでしょうね……。
(ちなみに、この時点でCPUクーラーはただ乗せてあるだけです)

結局、この満足に起動出来ないという状況が回復しないまま公開となりました。
もはや、温度管理がどう、とかって話じゃありません。
何とか、当日はディスプレイだけ表示した状態で誤魔化しきりましたが……。
実際にはフリーズしてるってコトに何人の人が気づいたことやら……(汗

今回は、こんな意味不明な結果に終わってしまい、結局油冷どころではありませんでした。
因みに、MBの以上がなかった場合の推定起動可能時間は2時間が限界です。
もともと、油自体の二次冷却が間に合ってないのでそれが限界なんですよ。
油の量を増やせば起動時間は延ばせますが、それじゃ根本的解決になりませんしね。
やはり、キャノーラ油のみでの冷却は不可能なんでしょうか……。




+おまけ+

CPUクーラーがくっつけられない状況下で、調子に乗ってクーラーなしで起動してみたんですが、
予想外にBIOS間では起動し、面白いデータが取れたのでおまけ資料として公開を。


FANが絶妙な具合で油を攪拌してくれます。というか、FANで攪拌しないと数分で熱暴走する。




人の作りし奇蹟。としか言いようがありませんね。
状況的には、油から出してCPUむき出し。
約一名が直接触って火傷。
普通に考えてあり得ませんよね。確かウィラメットコアのCeleronは最大ダイ温度が75℃のはずですから。
コレを見ると、わざわざ冷やす必要あるの?とか思うんですが、
やっぱり、ちゃんと冷やさないと連続稼働はムリなんですよね……。
てか、Intelは過熱で止まるんじゃなかったのかよ!


※切羽詰まった状態だったため、写真が非常に少なく、状況が伝わりきらないコトが残念です。